
「ひとりで電車に乗っているとき急に、自分は孤独だ!
それはもうどうしようもない事実だということに気づいたのだ」
ということを60歳になったばかりの知人が、20代の私を相手に嬉しそうに話してくれたことを思い出していました。
まだうら若き私は、孤独は嫌なものだと思っていたので、どうしてもそれが嬉しいことに思えなくて、
年を取ると、そんなふうなものの見え方になるのだろうか?
と、不思議な気持ちで聞いていました。
この意味が今ならわかるのです。
やっと分かる年になったのかもしれません。
自分が孤独であることを知ると、その孤独さえも愛しいのです。
これが分からないと、
自分以外の人とつながることで、あるいは自分以外の人に愛してもらい、認めてもらうことで、その孤独感を満たそうとします。
その人がいなくなった途端にさらなるツライ孤独感を体験することになるわけです。
孤独の醍醐味を知っている人は、自分の弱さも悲しみも苦しみもダメなところも、全てを自分自身で愛することのできる人なのです。
そういう人こそが、本当に人とのつながりを楽しめるのでしょうね。
そんな素晴らしき人と20代で出会うことが出来たことは、とてもありがたいことです。